若さが贈る

いつまでも、心に青春を。

『クリティカルチェーン』を読んで。-現役PMOがプロジェクトマネジメントについて勉強するー

僕は日中はITコンサルタントとして働いている。

最近アサインされた案件ではPMO、Project Management Officeというプロジェクト管理に関わる役割をもらった。

正直PMOを任せられるのは今回が初めてで、そもそもPMOとか知らなかったということで、ひとまず書籍を読み漁ろうとプロジェクトマネジメントに関する本を幾つか手元に揃えた。

その中で、今日紹介したいのは一番最初に読み終えた「クリティカルチェーン」。

 

クリティカルチェーン―なぜ、プロジェクトは予定どおりに進まないのか?

クリティカルチェーン―なぜ、プロジェクトは予定どおりに進まないのか?

 

 

「ザ・ゴール」で有名なゴールドラット博士が書いたビジネス小説だ。

さっそく、本の内容と読み終えて感じたことについて話していきたい。

 

 

本の構成

 

先ほども少し触れたが、この本は小説の形式を取っている。

物語は開発競争にさらされる一企業の会議から始まる。

新製品をどんどん世の中に出していくことが求められる中で、プロジェクトの遅れが発生した場合それは会社の存続に致命的なダメージを与えると考えた社長は、社内に特別チームを編成し、彼らにプロジェクトマネジメント手法を確立する使命を与える。

話の舞台はそんな大役を背負った彼らが通う、ビジネススクールのプロジェクトマネジメントの講義に移る。

自身の教授人生をかけたとある助教授が、生徒と共に講義を作っていきながらプロジェクトが遅れてしまう原因を追究していく。

 

読み物としても非常に面白く、「早く続きが読みたい」と思ってしまう部類の本だ。

 

 

理論について

 

本書では全体を通じて。『どうしてプロジェクトは遅れてしまうのか』という課題に対する解決策を提示してくれている。

その根本にはTOCという理論がある。

TOCとは何かというと、企業活動のパフォーマンスを制限している要素に注目することで、経営課題を改善していくという考え方だ。

というか、この本自体がTOCを提唱するためのものなのかもしれない。

 

まず、どのプロジェクトにも共通して言えることは、遅延の理由は予測できないトラブルのせいであるということだ。

そのため、プロジェクトを管理する立場の者は必ず万が一のことが起こった場合に備えて予備日を置いている。しかも、実際に必要な時間の2倍もの予備日を置くことが多いらしい

しかし、これだけ十分な時間を予備として取っているにも拘らず、ほとんどのプロジェクトには遅れが発生する。

なぜそんなことが起こるのか。

それは、焦るギリギリまで物事に着手しない人間の性質と、万一ある作業が早く終わったからといってスケジュール全体を早く終わらせようとしない大人な事情等があるためだという。

 

そしてプロジェクトを遅らせる最も大きな原因は、局所的なコストに意識がいくとプロジェクト全体を考慮して完遂のための意識が薄れ、反対に全体に目がいくとコストのことを考えられなくなることだという。

つまり、大局と小局が同時に考えられないことが問題だと言っている。

そうならないようにするために、本書では『これが遅れたらプロジェクトが絶対遅れる!』という作業に意識を傾け、こいつが期日まで間に合うように2つの予備日の組み込み方を提案している。

1つはその主要作業の後ろに大きな予備日を設けること。

もう1つはそれ以外の作業が遅れた場合、主要な作業にも影響が出ないようにするため主要な作業とそれ以外の作業のつなぎ目に予備日を置くこと。

この2つを併用することで、プロジェクトが万一遅れた場合でも設置した予備日がきちんと吸収してくれて、最後の締め切りにはちゃんと間に合うという算段だ。

 

これで大抵のプロジェクトはうまくいくが、中には超スーパーマンが一人で色々な作業を担当し、そのせいでプロジェクトが遅れてしまうということもあり得る。

それを解決するのがクリティカルチェーンというもので、これまでの予備日の考え方はそのままで、スーパーマンが取り組む作業の順番に合わせて予備日を組み込む場所を少し変えるという理論だ。

 

要約すると、

締め切りに間に合わないプロジェクトは予備日の取り方が悪かったってことだ。

 

 

読み終わって

 

本書では「プロジェクトを予定通り完遂したいなら、適切なスケジュールで予備日を組み込め!」ということが大枠のメッセージだと思っている。

 

確かに現場を振り返ってみると、「絶対何かイレギュラーが発生する」という考えのもと、チームリーダーが試算した作業日数をもとに全体のスケジュールが組まれているものの、本書のようにそこから更に一歩踏み込んだ工夫はなされていない気がする。

たいがいのプロジェクトが予備日を200%取っているんだけど終わらない、っていう状態はホントかもしれない。

 

だけど、実際に一番プロジェクトに影響を与える業務の後ろに予備日を作るにしろ、それ以外の業務が遅れた場合に一番大事な業務を守る予備日をつくるにしろ、果たしてそんな予備日をまとめてボンと出した時に相手がどんな反応をするかを考えると、現実問題本書で説かれている理論をプロジェクト管理に組み込むのは非常に難しい気もする

「いやいやいや、なんでこんなに予備日まとめてとってんだよ?」って絶対言われそう。というかやっぱりスタンダードなやり方じゃないから「ん?」って突っ込まれそう。説得するのが難しそう。

 

それに加えて非ボトルネックはいくつも存在し、それらに合流バッファを設けるって結構頭というか神経すり減らす作業な気がする。

ちょっと今日の仕事中に簡単な課題管理で取り入れてみようとしたけど、疲れて諦めた。メンドクさ!ってなった。笑

 

なんにせよ、このセオリーを理解するのにはもう少し時間を有するし、プロジェクト管理に応用できるようになるまではかなり時間がかかりそうだ。

大前研一著『企業参謀』のエッセンスをわかりやすく説明するために、恋愛に置き換えてみることにした。

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企業参謀。

これは戦略コンサルティングファームのトップに君臨するマッキンゼーにて、日本支社一期生としてコンサルティング黎明期に活躍された大前研一さんの代表的著作だ。

コンサルティング業に携わらずとも、その名を聞いたり本を手に取ったりしたことのあるビジネスパーソンは多いのではないだろうか。

 

ここ数年、課題解決に関する書籍やセミナーはブームにあった。

書店に行けば「マッキンゼー式○○」や「BCG式○○思考」といった本が並び、また就活生向けには「課題発見能力」や「ロジカルシンキング養成」といったセミナーがたくさん開かれた。

僕も学生の頃からコンサルティングファームを目指していた身であり、そういったセミナーには参加したし、コンサルの名著と言われている本には一通り目を通した。

その中で確信めいた思いが一つあった。

 

世に出回っている課題解決、PDCAに至るまで、全てこの企業参謀200ページにエッセンスは詰まっているのではないか。

 

こう考えるようになって以来、「思考力を鍛える勉強をしたいんだけど、何を読めばいい?」と聞かれたとき、必ず「企業参謀を読み込めばいいと思う」と答えるようにしている。

しかしこの企業参謀、たった200ページぐらいの厚さであるにも関わらず、「ああ!そういうことか!」と理解するまで、少なからず僕は最初にこの本を手に取ってから2年弱はかかった。

 

おいおい、エッセンスを理解するまでそんな時間かかるのかよ、、、

ということで、今回はこの企業参謀に書かれている戦略を作るうえで大事な部分を伝えるために、身近な恋愛に置き換えて説明してみたいと思う。

 

 

客観的に事象を捉える

 

「あなたのこともっと知りたいです。よかったら今度の休日遊びに行きませんか?」

そう言われて(そんなこと言われるのはよっぽどのイケメンしかいないんだろうけどさ!)あなたはウキウキでデートの計画を立てるだろう。

14時に待ち合わせて今話題の映画を見に行って、映画が終わったら今話題のクレープ屋さんに立ち寄って、クレープを食べ終わったらオシャレな雑貨屋さんを回って、残念だけど夜は用事があるらしいから18時くらいに解散だろうな。。。

 

デートっぽくてメチャクチャいいじゃないか。

もしかしたらなんかもう付き合ってんじゃねーのかくらいの雰囲気だせそうだな、うおおおお、とか思うんかね。

一見半日かけてあなたのことを知ってもらえているような気がするこのプラン。では実際に、このデートプランの中で彼女があなたのことを知る時間は一体どれくらいあるのだろうか。

時間指定が14時から18時まで4時間とある中で、おそらく話せるのは移動中とクレープ屋さんでクレープ食べているときくらい。きっとその唯一限られた時間も「映画面白かったねー」と「このクレープ美味しいねー」という会話で終わる。

となるとだいたいあなたについて話せるのは30分がいいところだろうか。

 

確かに「デートしてる」っていう雰囲気や、「なんとなく経験を共有できている」っていうことも大切なのかもしれないけど、相手の「あなたのことが知りたい」っていうニーズを満たすのであれば、正直このデートプランよりも一時間カフェで話した方がニーズを満たせている。

 

こんな風に「なんとなく目的を満たしてる気がする」というふんわりとした雰囲気をそれぞれの事象に細分化し、「実際にどれだけ目的を満たしているのか」を数字という客観的視点でとらえ直すことが、戦略思考には重要になってくる

 

問題の本質に迫る思考を身に付ける

 

合コンで出会った女性がいて、何回かデートの誘いをしているけど中々OKの返事がこない。

こんなとき、あなたは自分自身に「彼女とデートするにはどうしたらいいか?」という設問をたてると、もう少し時間をおいて誘うや、グループで遊んでから仲良くなってまた誘う、電話してみるなど、色々な案が出てくるに違いない。

実は、この考え方には限界があると考えられている。

それは、設問の立て方が解決思考ではないからだ。

 

確かにこの「どうすればいいか?」という考え方には一応解決案も出るし、先の例で言えばもしかしたらグループで遊んでからまた誘えばOKが出るかもしれない。

だがこれは、相手の女性があなたとのデートを断っている理由、つまり問題の原因を突き止めてから出した解決策ではないため、外れることだって大いにあり得る。

 

ならば、どのような設問を立てればいいのか。

それは、必ず『イエスかノーで答えられる質問をする』ことだ。

 

例えば解決的思考が出来る人間はこのような考え方をする。

「彼女がデートを断っているのは誘っている時間帯が悪いからか?」

⇒NO:なぜなら時間帯が悪いはずなら彼女から別の日程を提案してくるはずだが、その提案がない。

「では映画に誘っているが彼女は単に映画に興味がないのか?」

⇒NO:この前の合コンでは月に1回は映画館に行くと言っていた。興味がないはずはない。それに加えて直近で映画を見に行っていないと言っていたから、ニーズとしてはあるはずだ。

「ではまだ二人で会いたい、異性として意識されていないということか?」

⇒YES:ここで今回デートに誘えていない問題の本質的な理由が”まだ異性として認識されていないこと”だということがわかり、集団で遊ぶという戦略を考えることが出来る。

 

みたいな感じで。

 

 

戦略の作り方

 

戦略の作り方は大きく3ステップある。

まず戦略を立てるにあたって、目標・期待値を的確に把握しなければならない。

それは、あなたが意中の女性と付き合いたいのか、友達以上恋人未満の関係でいたいのか、付き合うとしたらクリスマスまでに付き合いたいのか、それとも1年かかってでもいいから付き合いたいのかなど、いつまでにどんな状態になっていたいのかを明確にする必要があるということだ。

 

次に、現状でこのまま時間が過ぎていくとどうなるかを適切に分析する

今彼女とはラインだけのやり取りでデートは断られているようだったら、例えば三か月後に付き合うという目標を立てていた場合、その調子だといづれラインすら返ってこなくなるという分析になるだろう。

となると、結果としてあなたは三か月彼女とは付き合えないわけだ。

 

そして、この生まれた目標と現実のギャップを埋めるために必要なってくるのが戦略だ。ここでようやく、上で説明した物事を客観的に捉えることと、問題の本質に迫る考え方が生きてくる。

今の例で言えば、残り3カ月の間にグループでBBQに行くプランを作ったりみたいなことをやっていくわけだ。

 

ざくっとだが、これが戦略を立てるための主要な3ステップだ。

 

 

最後に

 

とまあこんな感じで説明したが、ちゃんとまとめると企業参謀で大切だと思うエッセンスは3つ。

 

①主目的を認識したうえで、雰囲気ではなく各要素に分解しその要素が主目的に対してどんな働きをしているかを的確にとらえることが重要である。

②常に「イエスかノー」で答えられる質問を置き、問題の本質にたどりついてから解決策を提示する。

③戦略とは、目標と現況を把握しそのギャップを埋めるためのものである。

 

 

正直なところ安いし薄いので、ぜひ手に取って読んでみてほしい。

 

企業参謀 (講談社文庫)

企業参謀 (講談社文庫)

 

 

教養のための読書。-岩波文庫の中でおすすめの10冊を紹介するー

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先日、『教養は人生の中で必要、だから少しずつでもいいから本を読もう』という趣旨の記事を書いた。

 

hiro-red.hatenablog.com

 

最後の方で、「とりあえず岩波文庫でも読んどけ!」という雑な案内をしていたので、今回は実際に岩波文庫の中で何を読めばいいのか、というところでおすすめ本を紹介したいと思う。

 

代表的日本人

非常にとっつきやすく、岩波文庫を始めて読む人には特におすすめなのがこれ。

内容としては明治維新の中で西欧開花していく時代、内村鑑三が外国人に向けて「日本にはこんな素晴らしい人物が居たんだ!」っていうのを紹介するという話。

明治維新の立役者・西郷隆盛、薪を抱えて勉強している銅像でお馴染みの二宮尊徳、”為せば成る”の名言を残した名藩主・上杉鷹山、日本朱子学の重鎮・中江藤樹日蓮宗の祖・日蓮ら5人の生涯を綴っている。

偉人の生涯を知るっていうのは教養面でも非常に有意義なことだと思う。

 

それに立派な人たちの物語なので、読後には心が洗われた気がするし、「よし、頑張ろう」と勇気づけられる一冊だ。

 

代表的日本人 (岩波文庫)

代表的日本人 (岩波文庫)

 

 

大学・中庸

中国古典からは四経のうちの2つ、大学・中庸がまとまったこの一冊を紹介する。

中国といえば世界三大哲学の孔子が起こした儒学

その儒学の教科書となるのが四経と言われるものなので、つまりこれは儒学のテキストってことだ。

特に読んでほしいのは中庸。

 ページ数も少ないし、内容自体もすっと入ってくる。

なにより人生において重要な”バランス感覚”を教えてくれる、大切にしたい一冊

 

大学・中庸 (岩波文庫)

大学・中庸 (岩波文庫)

 

 

自省録

 古代ギリシャの哲学者たちからは賢帝マルクス・アウレリウス帝の自省録。

正直古代ギリシャといえばアリストテレスなんだけど、この人の本は長い。

ひたすら長い。勉強になるし面白いんだけど、読んでて疲れる。マジで。

だからまずは哲学に触れてもらうためにあえてこの本を選んだ。

程よいページ数で、書いていることも難解ではない。

自省録というタイトルからもわかるように、皇帝として生きていく中で仁義を貫くために自分への戒めを綴ったようなものだからわかりやすいのだろう。

 

でもたまーに宇宙がどうだのこうだの言っちゃうから気を付けて。

 

自省録 (岩波文庫)

自省録 (岩波文庫)

 

 

 

ガリバー旅行記

 イギリス文学からはスウィフトのガリバー旅行記

内容自体も非常に面白く、”人間とは?”という部分も考えさせられる示唆に富んだ一冊。

とにかくこの本からはイギリスならでは上品さや優雅さ、余裕といったものを感じ取ってほしい。

まあ書いてる内容自体は結構汚いんだけど。笑

馬のうんこに顔突っ込んだみたいな話があったようななかったような。

 

ガリヴァー旅行記 (岩波文庫)

ガリヴァー旅行記 (岩波文庫)

 

 

若きウェルテルの悩み

ドイツ文学の巨匠・ゲーテの作品。

本当はゲーテといえばファウストだと思っているんだけど、ファウストは読みづらいし長いんだ。詩文形式だし宗教的要素がかなり入ってくるから何回も理解に立ち止まったり脚注参照したりしないといけなくて面倒くさいんだこれが。

それに比べてウェルテルは適度な分量で日記形式だからさーっと読めるためおすすめ

 

内容としては人妻に恋する童貞野郎のお花畑物語。

ゲーテがそうなのかドイツ文学がそうなのか、基本的に頭の中お花畑なんじゃねーかと思うような文調だ。きちんとした言い方をすると、のびのびしている印象を受ける。

表現が豊かとも言えるかな。

まあ、面白いんで是非。

 

若きウェルテルの悩み (岩波文庫)

若きウェルテルの悩み (岩波文庫)

 

 

レ・ミゼラブル

フランス文学といったらユーゴー

ユーゴーといえばレミゼラブルといった感じ。

映画化やミュージカルで近年注目を集めたこの大作、原作は全4巻でだいたい2,400ページ近くある。

まあひたすら長い。鬼のように長い。

だけど名作と言われるだけのことは合って、読み切った時は最高だよ。

 

フランス文学フランス革命期の情勢をものすごく反映している。

青年よ立ち上がれ、我々の魂は革命とともにある、みたいな。

本作の主人公ジャン・ヴァるジャンしかり、とにかく正義に熱いっていうのが特徴だ。

 

レ・ミゼラブル〈1〉 (岩波文庫)

レ・ミゼラブル〈1〉 (岩波文庫)

 

 

罪と罰

 ロシア文学といえばドストエフスキーしかいないでしょう、ってことで罪と罰

本当であればカラマーゾフの兄弟をあげたかったけど、いかんせんカラマーゾフは長いし宗教的要素が入ってくるしでめちゃくちゃ読みづらいから罪と罰

まだこっちの方が少しは読みやすい。

ロシア文学は物語全体に流れている憂鬱なうっとしい感じが癖になる。

というか全体的に名前がわからなすぎて進んでは戻ってで全然進まない。

多分好き嫌いが分かれると思うが、一度手に取ってみてほしい。

 

罪と罰〈上〉 (岩波文庫)

罪と罰〈上〉 (岩波文庫)

 

 

フランクリン自伝

 アメリカ文学からは実業家フランクリンの伝記。

文学というより啓蒙書といった位置づけで見た方がいいかもしれない。

商人、今で言うならビジネスマンとして成功していくための心構えやノウハウに富んだ一冊だ

 

フランクリン自伝 (岩波文庫)

フランクリン自伝 (岩波文庫)

 

 

君主論

 政治分野からはマキャベリ君主論

冷徹かつ非常に、っていうイメージが強いかもしれないけど、読んでみると国を治める、人を統治するってこういうことなんだろうなあと思う。

HOW TOなので非常に淡々とあっさりしていて、読んでいて面白くはない。

というかつまんないからざっと目を通してみるだけでいいと思う。

 

君主論 (岩波文庫)

君主論 (岩波文庫)

 

 

 

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

 経済分野はもうこの人しかいない。

マックスヴェーバープロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

世界史を勉強していた人なら絶対名前は聞いたことがあると思う。

それほどに世界の経済に影響を与えた一冊。

現在の資本主義の原則について鋭い考察を入れている一冊だが、正直読んでも全く意味が分からない

理解ではなくとりあえず読むことに意義がある一冊だと思っている。

 

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)

 

 

 

最後に

今回は岩波文庫の中でも中国古典や哲学、それぞれの海外文学といったカテゴリーの中で、「これは読みやすいしとっかかりにいいんじゃないかな」という本を10冊選定してみた

どれも読んでいて損のない良書だと思うので、気になるものがあれば是非図書館にでも本屋にでも行って手にとって読んでみてほしい。

今すぐ旅に出たくなる!-元旅人が紹介するおすすめ旅本4選。

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旅に出たい。

そんな想いに駆られたことって、みんなこれまでの人生の中で一度はあると思う。

”旅”とか仰々しくなくてもいい。

ふらっと遠くに行ってみたい、この電車の行きつくところまであてなく揺さぶられていたい、通勤時に横目で通り過ぎる新幹線に飛び乗ってどこでもいいからどこかへ。

こんなふとした気持ちになることってないだろうか。

 

みんな旅に出る理由はそれぞれだ。

だけど共通しているのは、みんな必ずに何かに触発されて旅に出るってことだ。

今回はあなたの旅への想いに火をつける中の一つ、旅本について

おすすめの厳選4冊を紹介したいと思う。

 

 深夜特急

バックパッカーのパイオニア沢木耕太郎さんの深夜特急

アジアからヨーロッパへ鉄道を使って旅をしようという、酔狂なことを思い立った男の物語。

実話に基づいているらしいけど、読み物としても非常に面白く、実際にバックパック、いや旅というものがどういうものか感じることが出来るおすすめの一冊だ。

「エキサイティングな体験が待っている」、そう思って居ても立ってもいられれなくなってくる。

 

ちなみに一番面白いのは1,2巻。

 

深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)

深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)

 

 

 自分の仕事をつくる旅

 

辛いことがあった、世界を見たい、非日常に浸りたいー。

旅にはいろいろな形がある。その中でも、テーマを持って旅に出ることを薦める一冊。

テーマを持った旅は放浪や当てもない旅とは違い、確実に自己成長が待っている。

実際に様々なテーマを持った旅人たちの11個のエピソードが掲載されていて、一歩踏み込んだ旅をするうえで非常に参考になる本だ。

著者はこのテーマを持った旅を、ありふれた旅からの脱却、キャリアに繋がる特別な旅って表現している。

 

巻末には実際にどうすればテーマを持ったたびが出来るか、旅を実りあるものに出来るかといったことに触れているのもおすすめポイントだ。

 

自分の仕事をつくる旅

自分の仕事をつくる旅

 

 

 僕らの人生を変えた世界一周

 

旅に出て、世界を見て、新しい価値観に出会い、これまで見えてこなかった想いに気づいた15人の旅人のエピソード集。

これも「自分もどっか行こう」と世界、旅への興味を後押ししてくれる一冊だ。

深夜特急もそうなんだけど、この本には旅で出会うものへの期待感、キラキラした希望みたいなもので満ち溢れていて、読むだけでワクワクしてしまう

 

僕らの人生を変えた世界一周

僕らの人生を変えた世界一周

 

 

 行かずに死ねるか!

会社を退職し自転車で世界一周に挑んだ石田ゆうすけさんのノンフィクション本。

そもそも自転車で世界一周をするっていうぶっ飛んだ内容が興味をそそるのはもちろん、旅の描写だけじゃなく石田さんが旅をする中で感じたこと、考えたこと、そして想い、それらが一人称でふんだんに盛り込まれていて、旅人の気持ちを疑似体験出来る点が非常におすすめだ。

 

行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅 (幻冬舎文庫)

行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅 (幻冬舎文庫)

 

 

 

最後に

 かく言う僕も、大学3年の秋に初めて京都へ一人旅をして以来、ヨーロッパをバックパックで回り、京都ー東京間ママチャリで走り、パリに一か月住みに行き、社会人になってからもNYに一人で出かけるなど、継続してどこかしらに行っている旅人のはしくれだ。

だからこそわかる、旅っていいもんだってことが。

旅は新しい価値観との出会いや、普段の生活では絶対交わることのない人達との出会い、エキサイティングな体験、あなたの心をワクワクさせるもので満ち溢れている。

いや、それ以上に旅の良さは、一瞬かもしれないその期間があるだけで、人生を特別な色彩を帯びたものへと変えてくれることかもしれない

 

さあ、心を動かされたなら、一歩進もう。

「料理の腕を上達させたい!」-冷蔵庫の食材で料理が出来るようになった男が愛用するおすすめ本4冊を公開!

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僕が自炊を始めたのは大学で東京に引っ越してきて1人暮らしになってからだ。

かれこれ料理を作り出して7年。

色んな本を読んだり、飲食店でアルバイトしたり、有名なお店の料理を食べに行ったり、ネットで情報を集めたりしながら、なんとか冷蔵庫にある食材でそれなりに美味しい料理を作れる腕前までになってきた。

そんな7年の間に購入して、常に手元に置いてある料理本が4冊ある。

実はこれらを一通りやれば、冷蔵庫の中にあるものでちゃちゃっと料理出来るレベルまで誰でもいけるんじゃないかと思っている。

今回はそのとびきりのおすすめ料理本を紹介します!

 

 

お料理の基本

 

こちらは料理研究家の瀬尾幸子さんの料理本。

内容は、本当に料理の基本の”き”の部分

レシピ自体は後ろの方に十数品載っているだけで、あとは包丁の持ち方だったり、食材の扱い方、切り方、はたまた煮る・焼く・ゆでるといった調理技術まで、それぞれの基本テクニックをイラスト付きで丁寧に解説してくれています。

レシピに取り掛かる前に「この調理ってどうするの?」とつまずかないように、またこういった基礎の部分が最終的な味の仕上がりに大きく関わってくるので、是非一度目を通しておきたい一冊。

 

 

落合務のパーフェクトレシピ
「ラ・ベットラ」落合務のパーフェクトレシピ (講談社のお料理BOOK)

「ラ・ベットラ」落合務のパーフェクトレシピ (講談社のお料理BOOK)

 

 

 日本イタリアン界の巨匠、落合務さんの料理本。

銀座に構えるお店、ラベットラ落合は予約何ヶ月待ちの時もあるとか。

そんな落合さんの本なのですが、なにがおすすめかって、ずばり根拠に基づいて料理を説明してくれている点です。

最初の時はレシピ通りにつくっていて「はい、デキましたー!」って感じだったけど、これを読んでから一つ一つの調理過程の意味がわかり、それを意識するようになってグッとレベルがあがりました。

具体的には過去記事に書いてるので読んでみてください~。

 

hiro-red.hatenablog.com

 

イタリアンといきなりおしゃれで難しそうだけど(実際食材も中々スーパーで売ってないこともある)、ここはその他料理本に行く前に目を通して一通り作ってほしい。

 

 

The 基本200 
The基本200 (ORANGE PAGE BOOKS)

The基本200 (ORANGE PAGE BOOKS)

 

 

オレンジページが出版するThe 基本200。

かれこれ発刊されて10年が経とうとしているロングセラーだ。

これは兄の家から偶然見つけてパクってきたんだけど、正直名作だと思ってます。笑 

家庭料理の主要なおかずは網羅されており、ひとまず和・中・洋にどんな料理があるのか、どんな料理手順なのかを学ぶことが出来ます

「今日のおかず何にしようかなー。そうだ、オレンジページみよ!」的な使い方がベストです。

食材が本当に家庭的であるところもおすすめポイントだ。

 

 

男子ごはんの本
太一×ケンタロウ 男子ごはんの本

太一×ケンタロウ 男子ごはんの本

 

 

テレビでも有名なTOKIO国分太一さんと料理家・ケンタロウさんの男子ごはんの本。

正直なところを言えば、4冊目は手軽でオリジナリティのあるレシピが載っている本ならある程度なんでもいいかなと思ってる

この本は季節毎の料理のレシピがあるし、ある程度食材も手に入りやすいもので作られていて、創作感も強いってことで採用しました。

単純に読んでて面白いってのもあります。笑

 

 

まとめ

この4冊である程度料理をやりこむと、まず味がぶれなくなると思います。(というか単純にレシピ通りに作って美味しくなる。)

それはおそらく火加減や食材の扱い方といった基礎がしっかりするから。

そして”基本200”と”男子ごはんの本”で様々なレシピが頭に入ってくると、「あの食材とあの食材の組み合わせだとこんな味だ」というイメージが持てるようになってくる。

これは本当にどれくらいレシピを知っているか、実際に作って食べたことがあるかによる部分。

それに加えて味付けも覚えて(味付けはたくさんあるように思えるけど、実際はパターンだと考えてます)使いまわしが出来るようになる。

こうして、冷蔵庫の食材を見て、「どんなの作ろうかな?」と想像できるようになり実際に美味しい即席料理が作れるようになってきます。

自分の例で恐縮なんだけど、僕は麻婆豆腐の肉みその味付けを少し変えてピーマンとか混ぜて、ご飯にかける『カズマスペシャル』が十八番なんですが、これが簡単で美味しいんですよ。笑

 

こんな感じで、自分なりのアレンジも出来るようになって料理がどんどん楽しくなると思うので、是非この4冊で一度作ってみてください!

料理初心者におすすめな料理本はこれだ!”落合務のパーフェクトレシピ”

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お世話になります、行動型考察系ブロガーのカズマです。

僕は大学で1人暮らしを始めたことがきっかけで、料理をするようになりました。

いわゆる自炊を始めたってやつです。

そうは言っても、実は高校生の頃までは包丁を持つのでさえ怖くて嫌だった。笑

だけど一旦自炊を始めると、「あれ?料理楽しいな。」って感じてはや7年目。

この歳月の間に何冊も料理本を読んだり、ネットでレシピや上達の秘訣みたいなものを調べてみたり、で飲食店でアルバイトしたり、お金をかけて有名な料理人・お店の料理を実際に食べに行ってみたり。

 

こんな感じで趣味の一環で続けていたけど、新卒で勤めた会社では先輩方から「美味しいよ!」と評価してもらい、お金を頂きながら毎週月曜に食堂を開いたりしていました。

今では冷蔵庫にある食材である程度は美味しく食べられるものを作れるようになった、と思ってます。笑

 

そんな自炊歴の僕が今まで読んだ料理本の中で、「これは絶対に料理を始めたばかりの人におすすめだ!」「上手くなりたいんだったらこれは読むべき!」「というかもっと早く出会っておきたかった!」と思った本が一冊だけある。

それは日本のイタリアンの巨匠・落合務さんが書かれた”落合務のパーフェクトレシピ”だ。

 

「ラ・ベットラ」落合務のパーフェクトレシピ (講談社のお料理BOOK)

「ラ・ベットラ」落合務のパーフェクトレシピ (講談社のお料理BOOK)

 

 

本の概要としては、

 

・パスタ、前菜、主菜(肉・魚)、デザートの四部構成(イタリアン)

・レシピ数は総じて少な目

・落合さんの語り口調で作り方や各ポイントが書かれている

 

といったところ。

どうしてこの本が料理を始める人にお奨めかというと、レシピの手順一つ一つの理由が書かれているからだ。

よくある料理本だと、「中火で○○分火を通します」「その後に○○の食材をいれます」「最後に○○します」のように手順は書かれているが、どうしてそのタイミングでその工程を踏むまでは書かれていないことが多い。

しかし、この落合さんの料理本では「どうして?」という科学的な根拠がポイントとしてしっかり挙げられている。

どうしてコショウは最後に振るのか、なぜ中火なのか、どうしてこの順番で調理するのか、そういった理論の部分がわかることで、より深く料理を理解できるようになるし、より美味しいものを作れるようになる。

 

実際初めてこの本を手に取った時は目から鱗でした。

「そっか、だからあの料理のあの手順はああなのか!!すげえええ!」みたいな。笑

ここから料理のレベルがぐんっと上がった気がします。

1,500円程度なので、一度目を通す価値ありの一冊ですよ!

「僕たちは世界を変えることができない」を読んでみてほしい。

僕たちは世界を変えることができない。

この本を始めて目にしたのは大学1年の時だっただろうか。

結構本屋に行くのが好きで、大学の生協にもふらーっと足を運ぶことが度々あった。

おすすめか何かのコーナーにこの本は平積みにされていた。

なんだろうとは思ったものの、初見、表紙で嫌った。

うえーいみたいな4人の若者と、それっぽい仰々しいタイトル。

しょうもないギャル男の逆転劇みたいな話なんだろ、となぜかその時は感じた。

このときはまだ、自分がこの本のことを一番好きになるなんて思ってもみなかった。

 

 

僕の好きな本はいくつかのジャンルに分かれている。

小説、特にヒューマン系は高校まで読んでいて、大学からは岩波文庫とビジネス書といった感じだろうか。ノンフィクションは読んだことがない。

例を挙げると、高校生までに読んだ中でお気に入りは森絵都の「DIVE!」と恩田陸の「夜のピクニック」。

本棚においていつでも読み返したいのは岩波文庫の「大学・中庸」と「菜根譚」。

名作だったなと思い出すのが「アルジャーノンに花束」をとアガサクリスティーの「そして誰もいなくなった」。

大学からのお気に入りは三枝匡の「戦略プロフェッショナル(ストーリー仕立てだけど一応ビジネス書として)」と大前研一の「企業参謀」とか。

 

どちらかというとアカデミックさや実践度を重視した本を当時は選んでいたように思う。

というか、「小説読んでも生産性なくない?」といってたようなタイプだった。

そんな感じだったけど、大學のラスト、確かパリに行く前。

なぜだかはわからない。

いつもみたいに新宿の紀伊国屋をぶらぶらしていて、なぜか吸い込まれるように手に取った。

その場でなんとなく立ち読みしたら、一瞬で引き込まれたのを今でも覚えている。

即買いして一気に読み上げた。

 

 

ストーリーは、 とある都内の大学2年生が偶然郵便局で目に付いたパンフレットがきっかけで、カンボジアに150万で学校を建てる、というもの。

著者の目線で、日記になぞったような形式をとって話は進んでいく。

150万という大金を集めるために仲間を集い、頭をひねりぶつかり合いながら活動する。

最初は勢いで始めてみたけど、次第に”カンボジアに学校を建てる”ということに対して真剣にむきあうようになる。

その中で、自分の小ささに不甲斐ない思いをしたり、今までになかった日常に対してエキサイトしたり、知らなかった世界に衝撃をうけたり、悲しい現実に傷ついたり。

それらすべてに対する著者の想いが、等身大で、赤裸々に語られている。

最終的には学校を建てることができ、開校式のスピーチで幕を閉じる。

 

 

正直言うと、「自分と同じ大学生がカンボジアに学校を建てたんだ!すごい!」という慈善活動にめちゃくちゃ感銘を受けたからっていう理由で、この本を好きになったわけじゃない。

多分、著者の葉田甲太さんって”人”に惚れたんですよ。

読んでみたらわかると思うんだけど、葉田さんっておそらく思考がけっこうネガティブなんですよ。(これは勝手に僕がそう受け取っているだけかもしれないけど)

そこが同じようなネガティブな自分がすごく共感できた部分で。

「その気持ちわかるわあ~」みたいな。笑

そして、なによりも物事に真っすぐ向き合っているところ。

苦しみながら前に進もうとしているところ。

なにかモヤモヤしていた日常から、全力で生きているその姿が文章から伝わってきて惹かれました。

現に本人も「学校を建てたあの日々は僕にとって青春でした。」とコメントしているわけで。

 

 

この本は本当に今まで読んだ本の中で一番のお気に入りだ。

立ち止まりそうになった時、迷った時、いつも読み返している。

そして、何回読んでも思う。これはすごい人の物語なんかじゃないと。

自分たちと同じ一人の人間が、ただ一歩を踏み出したかどうかの違い。

そんな勇気を与えてくれる一冊、最後に本書のエピローグから葉田さんの言葉を抜粋したいと思う。

 

 

ー 結局僕がこの本で伝えたいことなんて、実はほとんどないのかもしれない。

ただひとつあるとすれば、「人の笑顔はものすごくパワーをくれることがある」ってこと。

そして、その瞬間が僕はめちゃめちゃ好きだってこと。

それだけなんだと思う。ー