最高のリーダーになるための3ステップを、プロジェクトマネージャーから教わった。
どんなプロジェクトも1人でどうにかなることなんてない。
必ず何人かでチームを組んで取り組むし、プロジェクトの規模によっては関わる人間は何十人にも及ぶ。
そんな中、プロジェクトを達成させるために人々をまとめ上げるのがプロジェクトマネージャーの仕事だ。
まとめ上げる、そう一言にいっても、為すのは容易いことではないのはみんな身をもって知っていることだろう。
今プロジェクトマネージャー(PM)として苦しんでいるとかそういったことに限らず、学生時代になにかしら人の上に立つ経験、もしくは部活などで自分がリーダーでなくともチームがうまくいっていないことを見てきた経験、そういったものだ。
やっぱり、そういう経験があるから『理想のリーダー像』みたいなのが皆の中にそれぞれあって。
この前クライアント先へ会議に行った帰り、プロジェクトを達成させるためにはどんなPMであるべきかって話になった。
名だたる外資系コンサルファームを渡り歩いてきた先輩の言葉を借りると、良きPMはチームメンバーにゴールを共有出来ることが条件だ。
例えば、クライアントの要望100%で仕上げに行くのか、それとも70%で残り30%は切るように調整するのか、そういった落としどころしっかり決めてあげて、認識のズレがないようにチームメンバーに共有し、走る方向を示してやる。
この方向性のすり合わせがあるかないかで、チームが一つにまとまりプロジェクトが無事成功するか否かが決まると言っても過言ではない、との話だった。
最悪でも各チームリーダーレベルで伝わっていないと、みんな向く方向がバラバラになる。これはプロジェクトに限ったことではない。
金融機関に勤めていた時を振り返ってみてもそうだった。
僕は当時大きな支店に勤めていて、みんなが思い思いに動いていてテンでばらばらだった。全ての目標100%必達を目指す次長、無理だと諦め80%の達成率の交渉に切り替えようとする営業の主力メンバーたち、トータルで100%になるべく近づけようとする支店長。
その時はベクトルっていう言い方をしてたんだけど、要はみんなが向いてる方向が一緒じゃないと目標は成し遂げられないのに、支店長はなんで指示も出さずビジョンの共有もせず悠長に構えているんだろうと思っていた記憶がある。
それで今回は、先日先輩PMに教わった『良いプロジェクトマネージャーになるための3ステップ』を忘備録という意味も込めて、共有したいと思う。
ステップ1 与えられた仕事を完璧にこなす
どんな仕事だろうが、まずは与えられた仕事を完璧にこなすことが大切だ。
これは、みんなにビジョンを共有出来るリーダーになるため以前に、仕事をしていく上で重要なことだと考えている。
たまに「こんなみみっちいことじゃなくて俺はもっとすごいことが出来るんだ!!」って粋がって、目の前の仕事を疎かにする人がいる。人がいるというか僕もそのタイプよりだからよくわかるんだけど。笑
確かに、もっと上のレベルの仕事が高いパフォーマンスで出来ることだってある。
だけど、それはそれとして、組織においては正直通用しない。
組織で働く上で大切なことは上からの評価だ。昇進云々じゃなくて、仕事を与えられるという点でどうやって上司の信頼を作っていくかが重要なポイントって意味。
「こいつ、ちゃんと出来るな。」という印象を抱いてもらえなければ、次の仕事は任せてもらえない。
「こんなことすらまともにできない奴が、もっと上の仕事が出来るか!」っていう指摘はごもっともだと思う。
なので、まずは何はともあれ任せられた仕事は完璧にやり切ることが理想のPMの第一歩なのだ。
ステップ2 全体での位置づけを理解し仕事に取り組む
与えられた仕事を与えられた指示通りに完璧にこなすことが出来るようになったら、次に意識したいのは、その仕事がプロジェクト全体にどう関わっているかを考えることだ。
そうすることで、プロジェクト全体が見えるようになってくるし、自分が請け負っている業務にもただ与えられた指示をこなしていた時と比べ工夫が出てくるようになる。
ステップ3 リーダーのビジョンを汲み取り先に動く
ステップ2までが出来るようになったら、最後に挑戦することはPMの考えを汲み取った上で指示が出る前に仕事に着手することだ。
このリーダーは100%クライアントの要望に応えようとしているのか、それともこのままいけば期日までに間に合いそうにないからどこか落としどころを用意しようとしているのか。
まずはそこを知ることがのステップの第一歩である。
そしてリーダーが考えているゴールがわかったなら、そのゴールへの持って行き方を考えたうえで仕事を展開する。
100%を出そうとしているのなら、全力で締切に間に合わすように全ての工程に臨むし、もし落としどころ準備するなら取組む業務の優先順位を明らかにしたうえで仕事に着手するし、もしくは業務よりも優先してクライアントを裏で握っておくためのミーティングの準備をするかもしれない。
こうしてリーダーに何も言われなくとも、プロジェクトを終点へと持っていく動きを取れるようになってくると、今度は自分がPMになった時に、部下にどんな指示をだせばいいかがわかってくるとのこと。
言い換えれば、自分が目指しているゴールをどう部下達に伝えれば上手く伝わりプロジェクトが成功するか、そこのかみ砕いて伝える力が、この3ステップを経験してPMになったかどうかで雲泥の差が出てくる。
最後に
リーダーのビジョンを咀嚼し働くことを通じて、自分がリーダーになった時に部下にキチンと伝えられるようになる。そうなった時に最高のプロジェクトマネージャーになっている、というのが先輩PMの話だった。
反対に、このステップをせずになーなーでリーダーになってる人は、指示だけ出したり、上手く部下を動かせなかったりするらしい。
過去記事にも書いたが、結局は『しっかりとビジョンをみんなに伝播させることが出来るか』が、最高のリーダーの条件となってくるのだろう。
余談だけど、このステップを意識することはワーカーとしても大切なことらしい。
なんでかっていうと、自分がこのステップを意識して取り組むうえで現在の自分の上司がどのタイプのリーダーから見当がついてくる。
ゴールを明確にして先に動くことを期待するタイプなのか、自分が言ったことを完ぺきにこなせのタイプなのか、そこそこやっていればいいタイプなのか。
どんなタイプかがわかればそれに従って行動する。そうすることで、誰の下についたときも「あいつは使える」という最高のワーカーの評価が得られる、らしい。