若さが贈る

いつまでも、心に青春を。

教養のための読書。-岩波文庫の中でおすすめの10冊を紹介するー

f:id:HIRO_red:20171006231427j:plain

 

先日、『教養は人生の中で必要、だから少しずつでもいいから本を読もう』という趣旨の記事を書いた。

 

hiro-red.hatenablog.com

 

最後の方で、「とりあえず岩波文庫でも読んどけ!」という雑な案内をしていたので、今回は実際に岩波文庫の中で何を読めばいいのか、というところでおすすめ本を紹介したいと思う。

 

代表的日本人

非常にとっつきやすく、岩波文庫を始めて読む人には特におすすめなのがこれ。

内容としては明治維新の中で西欧開花していく時代、内村鑑三が外国人に向けて「日本にはこんな素晴らしい人物が居たんだ!」っていうのを紹介するという話。

明治維新の立役者・西郷隆盛、薪を抱えて勉強している銅像でお馴染みの二宮尊徳、”為せば成る”の名言を残した名藩主・上杉鷹山、日本朱子学の重鎮・中江藤樹日蓮宗の祖・日蓮ら5人の生涯を綴っている。

偉人の生涯を知るっていうのは教養面でも非常に有意義なことだと思う。

 

それに立派な人たちの物語なので、読後には心が洗われた気がするし、「よし、頑張ろう」と勇気づけられる一冊だ。

 

代表的日本人 (岩波文庫)

代表的日本人 (岩波文庫)

 

 

大学・中庸

中国古典からは四経のうちの2つ、大学・中庸がまとまったこの一冊を紹介する。

中国といえば世界三大哲学の孔子が起こした儒学

その儒学の教科書となるのが四経と言われるものなので、つまりこれは儒学のテキストってことだ。

特に読んでほしいのは中庸。

 ページ数も少ないし、内容自体もすっと入ってくる。

なにより人生において重要な”バランス感覚”を教えてくれる、大切にしたい一冊

 

大学・中庸 (岩波文庫)

大学・中庸 (岩波文庫)

 

 

自省録

 古代ギリシャの哲学者たちからは賢帝マルクス・アウレリウス帝の自省録。

正直古代ギリシャといえばアリストテレスなんだけど、この人の本は長い。

ひたすら長い。勉強になるし面白いんだけど、読んでて疲れる。マジで。

だからまずは哲学に触れてもらうためにあえてこの本を選んだ。

程よいページ数で、書いていることも難解ではない。

自省録というタイトルからもわかるように、皇帝として生きていく中で仁義を貫くために自分への戒めを綴ったようなものだからわかりやすいのだろう。

 

でもたまーに宇宙がどうだのこうだの言っちゃうから気を付けて。

 

自省録 (岩波文庫)

自省録 (岩波文庫)

 

 

 

ガリバー旅行記

 イギリス文学からはスウィフトのガリバー旅行記

内容自体も非常に面白く、”人間とは?”という部分も考えさせられる示唆に富んだ一冊。

とにかくこの本からはイギリスならでは上品さや優雅さ、余裕といったものを感じ取ってほしい。

まあ書いてる内容自体は結構汚いんだけど。笑

馬のうんこに顔突っ込んだみたいな話があったようななかったような。

 

ガリヴァー旅行記 (岩波文庫)

ガリヴァー旅行記 (岩波文庫)

 

 

若きウェルテルの悩み

ドイツ文学の巨匠・ゲーテの作品。

本当はゲーテといえばファウストだと思っているんだけど、ファウストは読みづらいし長いんだ。詩文形式だし宗教的要素がかなり入ってくるから何回も理解に立ち止まったり脚注参照したりしないといけなくて面倒くさいんだこれが。

それに比べてウェルテルは適度な分量で日記形式だからさーっと読めるためおすすめ

 

内容としては人妻に恋する童貞野郎のお花畑物語。

ゲーテがそうなのかドイツ文学がそうなのか、基本的に頭の中お花畑なんじゃねーかと思うような文調だ。きちんとした言い方をすると、のびのびしている印象を受ける。

表現が豊かとも言えるかな。

まあ、面白いんで是非。

 

若きウェルテルの悩み (岩波文庫)

若きウェルテルの悩み (岩波文庫)

 

 

レ・ミゼラブル

フランス文学といったらユーゴー

ユーゴーといえばレミゼラブルといった感じ。

映画化やミュージカルで近年注目を集めたこの大作、原作は全4巻でだいたい2,400ページ近くある。

まあひたすら長い。鬼のように長い。

だけど名作と言われるだけのことは合って、読み切った時は最高だよ。

 

フランス文学フランス革命期の情勢をものすごく反映している。

青年よ立ち上がれ、我々の魂は革命とともにある、みたいな。

本作の主人公ジャン・ヴァるジャンしかり、とにかく正義に熱いっていうのが特徴だ。

 

レ・ミゼラブル〈1〉 (岩波文庫)

レ・ミゼラブル〈1〉 (岩波文庫)

 

 

罪と罰

 ロシア文学といえばドストエフスキーしかいないでしょう、ってことで罪と罰

本当であればカラマーゾフの兄弟をあげたかったけど、いかんせんカラマーゾフは長いし宗教的要素が入ってくるしでめちゃくちゃ読みづらいから罪と罰

まだこっちの方が少しは読みやすい。

ロシア文学は物語全体に流れている憂鬱なうっとしい感じが癖になる。

というか全体的に名前がわからなすぎて進んでは戻ってで全然進まない。

多分好き嫌いが分かれると思うが、一度手に取ってみてほしい。

 

罪と罰〈上〉 (岩波文庫)

罪と罰〈上〉 (岩波文庫)

 

 

フランクリン自伝

 アメリカ文学からは実業家フランクリンの伝記。

文学というより啓蒙書といった位置づけで見た方がいいかもしれない。

商人、今で言うならビジネスマンとして成功していくための心構えやノウハウに富んだ一冊だ

 

フランクリン自伝 (岩波文庫)

フランクリン自伝 (岩波文庫)

 

 

君主論

 政治分野からはマキャベリ君主論

冷徹かつ非常に、っていうイメージが強いかもしれないけど、読んでみると国を治める、人を統治するってこういうことなんだろうなあと思う。

HOW TOなので非常に淡々とあっさりしていて、読んでいて面白くはない。

というかつまんないからざっと目を通してみるだけでいいと思う。

 

君主論 (岩波文庫)

君主論 (岩波文庫)

 

 

 

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

 経済分野はもうこの人しかいない。

マックスヴェーバープロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

世界史を勉強していた人なら絶対名前は聞いたことがあると思う。

それほどに世界の経済に影響を与えた一冊。

現在の資本主義の原則について鋭い考察を入れている一冊だが、正直読んでも全く意味が分からない

理解ではなくとりあえず読むことに意義がある一冊だと思っている。

 

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)

 

 

 

最後に

今回は岩波文庫の中でも中国古典や哲学、それぞれの海外文学といったカテゴリーの中で、「これは読みやすいしとっかかりにいいんじゃないかな」という本を10冊選定してみた

どれも読んでいて損のない良書だと思うので、気になるものがあれば是非図書館にでも本屋にでも行って手にとって読んでみてほしい。