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住宅ローンは元金均等返済を選ぶのが一番お得で賢いんじゃないかって話。

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連日の銀行融資に関するニュースを見ていると、どうしてもそれに触発されてしまう。ふとした瞬間に、自分の銀行員時代のことを思い返す。

今回は、住宅ローンの返済方法について思い出した話をしたい。

 

実は融資の返済方法は1つだけじゃなくて、”元利均等返済”と”元金均等返済”の2種類がある。

普段お金の貸し借りに携わっていない人だったら、そもそも返済方法が2つあるって知らないと思う。それに漢字が一文字違うだけでものすごく似てるし。

で、ほとんどの人が”元利均等返済”で借りたお金を返している

ほとんどというか、ほぼ全員と言ってもいいんじゃないのかなと思っている。

さて、「元利均等返済がいい」ってことなら、もうここで記事が終わってしまうわけで。笑

そう、元利均等じゃなくて”元金均等返済”の方が住宅ローンにおいては良いんじゃないかと僕は考えている。

じゃあどうして元金均等がいいのか、説明していきたい。

 

元利均等返済とは?

 

今のローン返済の主流は、「毎月の返済額はいつも同じ方がお金の計画を立てやすいし良いよね」ということで月々の返済額を一定にする元利均等返済だ。

月々の返済額=借りた金額(これを元金と言う)+利息分”というシステム

 

ではここで疑問。

月々は一定だけど、元金と利息分はどうなってるの?という点だ。

実は、借り始めの頃は返している元金が少なくて、利息分の比率が大きい。

逆に返済が終わりに近づくと、元金の比率が大きくなって利息分は小さくなる。

これが、元利均等返済。

 

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元金均等返済とは?

 

次に元金均等返済の仕組みについて。

字ずらで表すと、最初から最後まで元金の返済額が一定の返済方法のことを言う。

図にするとこんな感じ。

 

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ポイントは2つ。

それは元金の減りが元利均等返済と比べて速いということと、毎月の返済額が年々変わるということ。

詳しくはメリットのところで。

 

メリット1:利息が少なくて済む

 

元金均等返済にする一番のメリットは、支払う利息が元利均等返済より少なく済むことだ。

ローンを最初から最後まで払い終えた時にかかった利息と、もともと借りたお金自体を全部まとめて総返済額というんだけど、これが元金均等返済は元利均等返済より少なくなる。

理由は元金の減りが早いからだ。特に返済し始めが一番差がわかりやすい。

元利均等返済だと、毎月の返済額に占める元金返済額の割合が大体65%で、元金均等返済だと5%上がって約70%となる。

もっと具体的に。

もし2,000万を金利1.5%で30年間で借りた時、最初の1年目は元利均等の元金返済額は45,000円、元金均等では55,000円になる。

元金の減りが早いのがこれで目に見えてわかるでしょ?

 

元金の減りが早いということは、その分利息も少なくなるから、結果お得になるという仕組みだ。(利息=元金×金利

 

メリット2:支払額の変化がライフサイクルの変化に対応する

 

2つ目の元利均等返済の良いところは、年々毎月の返済額が少なくなっていくことだと個人的には思っている。

住宅ローンの借入期間は35年が一般的な今のご時世、30歳で家を買って払い始めても払い終わりは65歳。

その間に子供が出来て、学校に通って、習い事をして、大学まで卒業させてと、歳をとればとるほどドンドンお金がかかる。

そんなとき、固定費をがっつりと占める住宅ローンの返済額が減っていたら?

こんなありがたいことはないと思う。

 

 

デメリットについて

 

今までメリットについて説明してきたけど、今度は悪い面について。

物事いいこと尽くしってわけにはいかないらしく、よくあげられるデメリットが、

 

・返済額が年々変わるため、家計の見通しが立てづらい

・返済し始めが最も高額であるため、最初が苦しい

・元利均等返済に比べて審査が厳しい

 

の3つ。

言われてみると、まあ確かになあとは思うけど、ちゃんと一つ一つ考えてみると「本当にデメリットか?」と思ってしまう。

 

まず、返済額が年々変わることについて。

前述の通り、僕は反対に月々の返済額が年々減っていくことがメリットだと考えている。それに、家計の見通しが立てづらいって、それは住宅ローンだけに限らないんだよなあ。旦那の昇進だって、子供の人数だって、35年のスパンの中で現段階から最後まで見えているわけじゃない。そういったものに比べたら些細な金額なのに、どうして住宅ローンだけ見通しがたたないから良くないって言いきることができるだろうか。

 

次に、返済し始めが最も高額で返済が苦しいということ。

これは確かにそうなんだと思ってしまいたくなるけど、家計全体を時系列で見た時に「本当にそうなのか?」って問いかけてみてほしい。

子供がまだ生まれたばかりで比較的養育費の負担が少ない時に、住宅ローンの返済はどれだけ家計にインパクトを与えているだろう?

反対に、元利均等だった場合、最初は楽かもしれないけど子供が大きくなって大学に通い出した時、住宅ローンの返済が家計に締める負担って大きくないか?

これは支出に限った話で、収入も歳月が流れるにつれて増えると仮定するなら、もっと「本当に最初が最も高いことが負担なのか」っていうことを家計全体を俯瞰して考えないといけない。

 

最後に元利均等に比べて審査が通りづらいという話。

これは明らかに議論にしていることのレベル感が違うんだよなあ。

そんなの出してみればいいんじゃんって思うんだ。

 

まとめ

 

2年間個人向け融資の窓口にいて、何百人というお客さんのローンに関わったけど、たった一人だけ元金均等返済のお客さんがいた。

その人は経理のお仕事をされていて、会社の融資がある時にいつも元金均等返済の方がいいと言っていた社長さんの影響を受けたとおしゃっていた。

正直、「おー、賢いお金の借り方するなあー。」と心底感心しました。笑

 

考え方は人それぞれだけど、住宅ローンは元金均等で返済した方がお得だし賢いんじゃないかっていう、ふとした説でした。