若さが贈る

いつまでも、心に青春を。

京都の山寺でヴィパッサナー瞑想を体験してきたら、些細なことに揺さぶられなくなった。

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大学時代、ヴィパッサナー瞑想というものに行ってきた。

2,3年前に結構取り上げられてたから知っている人もいるだろうが、日本で有名なのは京都で、山奥の修行所にこもって10日間ひたすら瞑想し続けるといったものだ。

 

 僕が初めてヴィパッサナー瞑想に出会ったのはヨーロッパを旅しているときだった。

ウィーンで出会った日本人男性から、「10日間誰とも話さず目すら合わしてはいけない面白い瞑想がある」と聞いて、それ以来ずっと頭の片隅に合った。

僕は京都が好きで、大学の途中から年に一回は必ず京都に行くようにしているのだが、10月の紅葉シーズンにはいってそろそろ行くかって思った矢先、その瞑想のことを思い出した。面白そうだし精神修行も兼ねてちょっと行ってくるか、そんな感じで僕は参加することにした。

 

来ていたメンツは60人ほどで、ざっくり分けると3パターンだった。

僕みたいになんだか面白そうだからっていう大学生と、インドに行ってヨガの感銘を受けた女性陣、同じく中国座禅極めてますといったガチ勢、あとは精神的部分の何かを求めてやってきた経営者、といった感じだ。あと外人もチラホラいた。

この修行の参加費は無料で、運営は寄付とヴィパッサナー体験者のボランティアで成り立っている。

 

気になる一日のスケジュールは、朝4時に起きていきなり瞑想して休憩や食事を挟みながらひたすら瞑想をし続け、夜の7時くらいからテープに録音された説話を聞いて9:30くらいに寝る。このスケジュールだと累計11時間程の瞑想を1日でやることになる。瞑想中にはこれまた録音テープが流れてその指示に従いながら瞑想を行う。ちなみに食事は朝と昼のみで肉はなし。お風呂は外に建てられているシャワーを使うのだが、僕は11月に行ったのでマジで寒かった。あと本当に山奥なので星が綺麗。

  

やってみてどうだったかというと、まあ3日で十分じゃないかなと思った。

そもそもの理論としては、「人が辛いのは欲を求め抗うからだ、あるがままを受け入れて今ココにある自分を肯定できれば苦しみの連鎖から解き放たれる、それをこの瞑想を通じて肉体レベルで叩き込め」ってことだと理解している。

極めたいって思っている人じゃなければ、趣旨を理解するのと瞑想のやり方を知るので3日あればいいのではと感じた。残りの日々はひたすらに足が痛かった記憶しかない。実際に参加者の数名は足が痛すぎてリタイアしていた。

 

やってビビったこともある。それは精神的作用が起こったことだ。

この瞑想の流れとしては、「まずは今までの欲や辛苦の連鎖を吐き出して0の状態にする→そしてあるがままを受け入れる循環を作り辛苦の火が再び燃え上がってこないよう保つ」といったものだ。

ちょうどそのときの僕は、人生で一番好きだった人を自分の失態で傷つけて、振られて、ずーっとその人のことが頭から離れなくて悶々とした状態だった。

その人のことを忘れたいとかそういう気持ちで臨んでなかったんだけど、何日目かで一気に内側から感情がこみあげてきてガチ泣きしました。それ以降彼女のことに関してはめちゃくちゃスッキリしてる。これは本当にすげーって思った。

 そしてなぜか瞑想中はエロい妄想が頭を占めることが多かったです。(本当は瞑想中に物事考えちゃいけません。体に生じている変化をただ俯瞰し感じ続けることが求められる。)しかも一日中瞑想しかやってないわけだから、妄想もなぜか研ぎ澄まされていてスペシャル級にエロい。今となっては性欲が増したのも、一度欲を吐き出している過程の一つだったのではないかと思ってます

 

あとは副次的だけど、コミュニケーションの大切さを実感したのは面白い発見だったと思う。

10日間見ず知らずの人達と話すのは愚か目も合わさないで一つ屋根の下で過ごしていると、基本的に相手の印象がめちゃくちゃ最悪になる。だけど一旦口を開いてみれば「なんだこの人、めっちゃ嫌な感じの人だな」って感じてたのが噓みたいに「めっちゃいい人じゃんか」ってなった。目を合わす、挨拶をするっていうごく当たり前のことがないだけで、印象ってこれほどまでに変わるものなのかと衝撃を受けたのを今でも覚えてます。

 

この瞑想は、日常生活にかなり有意義に取り入れることが出来ると僕は思っている。色々あったときは実際に瞑想して心をフラットにしたり物事をより客観的に捉えたり出来るし、集中したいときは10日間ひたすら瞑想していた時の研ぎ澄まされた感覚を思い出して集中力を格段に高めることが出来る。こう、外にダダ漏れになってるエネルギーがスッと体の内側にとどまる感じです。(伝わらないか。笑)

実際この修行に行く前と行った後では、メンタルコントロールが容易になったというか、些細なことで動じなくなりました。あーだりいこと起こってんなー、うん(嫌だとかいう感情はない)、みたいな。一回一回嫌なことに反応せずに、より建設的に問題解決思考に持ってけるようになった言えばいいのかもしれない。

瞑想ブームのこのご時世、時間が取れれば行ってみると面白いかもしれないです。

 

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